「つける人」不在解決の糸口-女性職人- 新潟の職人たち - 丸山あゆみ 2

MENTOSEN 職人 丸山あゆみ

「生きる場所に根ざしたものづくり - 新潟の職人たち」で書いた新潟のジュエリー職人丸山さん。

彼女は、2人のお子さんのお母さんでもあります。

ジュエリーの制作の現場、特に職人は、圧倒的に男性の世界です。

デザイナーや販売する人には圧倒的に女性が多いのですが、

職人となると、まず数自体が少なく、さらに本当に実力のある女性は数少ないでしょう。

丸山が制作する Shikaku[しかく]Pt900/K18・Silver925/K18 リング

丸山は、若手職人の登竜門、技能五輪装身具部門で金メダルを獲得。

その後も、結婚、出産の人生の転機を迎えながらも、10年以上職人として仕事を続けてきた、女性職人のパイオニア的な存在です。

MENTOSEN 職人 丸山あゆみ

今、私たちはこう感じている 

一般的なジュエリーデザイナーは、平面でデザインを描いて職人に渡します。

それを立体にする時、実はデザイナーが平面で考えているだけでは説明しきれていないこともしばしば。

そのほとんどの場合、その想像の部分は職人に託されることとなります。

そういったときに、大事になってくるのは職人の感性と技術。

洋服もそうですが、ジュエリーなど身に着けるモノは、

「それをなぜその人が、今の時代に、何を考えて着けるのか?」

ということを感じ取っていなければ、社会に先んじた提案をするジュエリーをつくりだすのは難しいのではないでしょうか。

つまり、古い価値観のまま、アップデートされない。

 

ジュエリーは本来、素材の希少性と高度な技術でつくるモノなので、

そのデザインや、時代背景よりも、

より高い技術で、より精緻につくることが第一だと言われるかもしれません。

でも、その考え方には、「つける人」不在のある種つくる側の欺瞞(ぎまん)があるのではないか?

と、着ける側の人間である私は考えてしまうときがあります。

ちょっとしたライン取りや、チェーンを通すバチカンの部分のわずかな大きさの違い、チェーンの組み合わせ。

ダイヤがいっぱい留まっていればいいか?

キラキラしていればいいのか?

それが今の女性の生き方や考え方に合っているか?

 そういうことを、

「わかるよね、今私たちはこう感じている」と

説明しなくてもわかってくれる女性職人の存在はとってもありがたいのです。

 そこに「つける人」不在のものづくりの解決の糸口があるようにも感じます。

 

 子供を育てながら仕事をするということ

職人の仕事は、納期が決まっていて、その高度な仕事の割に3Kのイメージが強いでしょう。

 子育てや家庭生活は、いまや決して女性だけの問題ではないけれど、とはいうものの、やはり女性への負担は大きい。

思いっきり働きたいけれど、子供が熱を出して思うように仕事ができず、他の人に迷惑をかけてしまうとか、

ごはんづくりや掃除や洗濯、子供の学校や保育園のこと。

そんなことも、結構脳みそをと体力を使う。

(まあ、本来女性だけの問題ではないので、苦労している男性の方々もたくさんいるでしょう)

けれども、そんな経験すべてが、最終的には仕事の深みになるんじゃないかと思っています。

だって、「つける人」の多くは、そういう経験をしながら、生きている人がかなりいるからだ。

MENTOSEN 丸山あゆみ

工房の壁には、丸山子供画伯たちの絵が

私は、「つける人」から始まって、デザインしたり、つくったり、あるいは石を供給してくれる人達なども含めて、すべてを含めてしてモノは出来上がると思います。

とはいえ、職人と言うからには仕事の質は絶対。

ジュエリーの職人の世界には、信じられないほどの技術と情熱を持った高みいる人たちがいます。

確かに、そういった男性のように働き盛りの時間を、それだけに費やすことはできないかもしれない。

けれど、長い人生、細く長く続けて、自分なりの意味のある仕事をしていくことで、だれにもできない仕事をできるようにきっとなる。

そのためは、いつもパイオニアでなきゃいけないけれど。

だから、丸山には、ずっとパイオニア精神で、けれど疲れたら時々休みつつ、技と感性や人間力を高めていってほしいと願っています。

まあ、結局仕事は人間力なんです。

多分、そこに行きつく。

だから、究極、男女の差もそこには関係ないかもしれない。 

多様性が大事なんです。

どこの現場にも。

そう思う、燕三条の訪問でした。

【丸山あゆみについてはこちら】

生きる場所に根ざしたものづくり - 新潟の職人たち - 丸山あゆみ 1

(MENTOSENの場合)
MENTOSENの場合は、デザイナー自身が、CADという立体造形ソフトで3Dプリンターで出力、あるいは鋳造までデザイナー側がしてしまうことが多いです。少なくとも、3Dプリンターで出力して、かたちの細部をきちんと職人に伝えられるように、職人が仕事がしやすいようしています。仕事に関わるチームの認識が統一されることはとても大切です。

MENTOSEN 米井亜紀子

 

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