ものづくりについて-3Dプリンター インダストリアル・テクノロジーから生まれるデザイン2
3Dプリンター
MENTOSENの制作には、3Dプリンターが必須です。
原型を3Dプリンターで出力しない場合でも、デザイナー、職人その他の人と立体でデザインの感覚を共有するために、出力造形がとても大切なコミュニケーションツールとなります。
ラインの共通の認識
私たちが様々なプロフェッショナルとチームを組んで仕事をする時、一つの『線』一つの『面』の意識の共有は、とても大切なことなんです。
3Dプリンターを使うようになって最大の喜びは、どんなカーブラインを目指しているかをみんなで共通認識できるようになったことでしょう。
デザインと制作のコミュニケーション力が飛躍的に上がったと思います。
さらに、MESNTOSENの制作者たちは日本、あるいは海外にも散らばっていて、瞬時に意識を共有できるということは、とても頼もしいことなのです。
3Dプリンターはコミュニケーションツール
最初に考えたデザインの美しいラインや、かたちが制作協力者に正確に伝わる。
「こうしたら、もっとかっこいいよね」とか「こんな風にやったらもっと仕事が効率化されるよね」とか、そんな活発な会話ができることが楽しいのです。
また、そんなコミュニケーションを交わすことが制作者にとって楽しくてしょうがない。
私たちにとって、CADや3Dプリンターは、大切なコミュニケーションツールになりました。
デジタルテクノロジーは感性を表現するために
けれども3Dプリンターは、私たちにとっては一つの手段です。
そのデジタル技術は、効率化だけではなく、もっと楽しく、新しく、独自性に富んでいなければいけない。
デジタルテクノロジーが、大量生産や効率化のためだけのツールではなく、血の通った人間の微妙な感覚を表現するために私たちは使っていきたいのです。
その一方で、身に着けていて心地よく、耐久性があり、生活の一部として存在するプロダクトであること。
そんなものづくりが私たちはめざします。
3Dプリンター出力後、製品につくり上げていくのは、かなりアナログな人間の感性です。
コンピューターや3Dプリンターを使うことで、新しい活発な制作のコミュニケーションが生まれる。
そして、その結果意味あるものづくりができることが、一番大事だと思うのです。
by Akiko Yonei