ものづくりについて-コンテンポラリージュエリー・アーティストと共につくる
日本では、あまり知られていない1960年代からヨーロッパで始まった「コンテンポラリージュエリー」。
その動きは、それまで素材価値を中心として考えられてきたジュエリーに一石を投じました。
ジュエリーをアートとしてとらえる、その考え方は、
「社会の問題を解決する」というデザインの役割に、
更に踏むこんで、
「社会に問題を提起していく」という新しいジュエリーの役割を生み出しています。
「Mentosen」は、コンテンポラリージュエリーのアーティスト達がデザインに参加したり、関わって、新しい価値感を生んでいく試みをしています。
ドイツで活動する 西林佳寿子とSHINKO STUDIOが一緒に作ったコレクションSurface[めんとせん]
このコレクションは、2018年に金とホワイトゴールドで制作されたもので、それを、新しい技術を使って、もう少し一般の方にも買いやすいようにしたリニューアル版です。
西林佳寿子とMENTOSENを制作しているシンコーストゥディオとは、長い付き合いになります。
はじめて彼女のジュエリーを見た時に、「なんて完成された造形なんだろう!」と衝撃をうけました。
日本に来て個展を開催した時に、初対面ながら色々お話したのがお付き合いの始まりでした。
彼女は25年以上にわたって、ドイツやヨーロッパ各地のギャラリーが作品を展示してきました。
series ori – shape u2 Kazuko Nishibayashi
ring silver 935 ag
Each ORI is handcrafted by cutting and folding it from just one silver sheet
Jeder Ori-ring wird durch schneiden und wickeln eines einzigen silberstreifens hergestellt
ドイツで25年以上もやっていたら、さぞかし野心的な人かと思いきや、実におっとりしていて、一方で、ものづくりに強い芯を持った、本物のアーティストだと、私は思っています。
series MUSUBI – shape [flat] – earrings gold 750 Au Kazuko Nishibayashi
metal surface textured with paper-structure
Oberfläche in Papierstruktur geprägt
どういう基準を持って「アーティスト」というかどうかは、今の時代それぞれだと思うのですが、
私は、アーティストの作品がどんなによくても、その人に人間的魅力を感じられる人ではないと、作品も長く愛せないと思います。
その『人』から生まれてくる、独自の世界観が、モノにあふれていることが好きです。
ジュエリーは身に着けて、自分の人生で最も近くにいるモノなので、自分自身の人生の歩み方や考え方に合うものを見つけて、長く身につけたいものです。
by Akiko Yonei