MENTOSENのお店シンコーストゥディオは60周年です

お店が60周年を迎えました
なんと、シンコーストゥディオのお店が今月6月12日で開店から60年になりました。
東京、世田谷千歳船橋の地で、1966年に時計、宝石、メガネの、小さなお店「伸光時計店」を開店。
写真は、私の父です。
時計とメガネが小さいお店に所狭しと並んでいますね。
ああ、高度経済成長時代。
ああ、昭和。
時代は変わって、今のシンコーストゥディオ
20年ほど前に、今の場所に移転して、ジュエリーに特化したお店になりました。
SHINKO STUDIOのオリジナルのジュエリーや、カスタムオーダーやリフォームを手掛けつつ、
2021年には、オリジナルブランド「MENTOSEN」を立ち上げ、今に至っています。
地域の方々に愛されて
60年続いた理由は、まず最初に、地元の地域のお客様に大切に育てていただいた。
これは、お店が続いた本当に大きな要因でだと考えていて。
地域の方々には、感謝しかありません。
もっと都心部でお店を開く選択肢もあったかもしれませんが、ネット社会になり、今はかえって、このちょっと都心部から離れたところの地にお店があることが、結構よかったのではないかと感じます。
世田谷には、国際的な仕事やクリエイティブな仕事、そして働く女性たちも多く住んでいます。
そんな感度の鋭い方々が、地域にいるということは、私たちにも刺激を与え続けてくれました。
海外からのお客様
近年は、海外からのお客様が、とても増えました。
アメリカ、オーストラリア、ドイツ、イギリス、イタリア、ポーランド、サウジアラビア、南アフリカ、イスラエル...等々
ウェブサイトやSNSを見て、ご来店いただいたり、海外発送をするようになりました。
不思議なことに、遠くから来ていただいている海外からのお客様との関り方は、千歳船橋近辺の地域のお客様と何ら変わらないということです。
そこには、会話があって、言葉があって、気持ちがある。
時には、古いジュエリーを通して、家族の話をしたり。
お互いをリスペクトする信頼関係を持ちつつ、お仕事をさせていただいてきました。
地震やコロナ
2011年の東日本大震災では、電車が止まり、東日本の多くの場所で、節電のため停電になりました。
渋谷のスクランブル交差点のスクリーンも真っ黒になっていた。
福島第一原発の事故で、放射能の心配と、これから日本はどうなってしまうのだろうという、だれもが不安ななか、シンコーストゥディオはお店を開け続ました。
お店というのは不思議なもので、たとえ行ったことがないお店だとしても、そこに灯がついていたり、お店が開いているということが、そこに住んでいる人たちによっては、日々の日常の風景の一つなんだと思います。
だから、非常事態、日常が奪われそうな時こそ、地域のお店は「開けている」という役割があると思うのです。
一方で、コロナの流行では、反対にお店を閉めなければならなかった。
震災やコロナ、近年では戦争などによる金やその他諸々の避けられない社会事情によって、私たちのような小さなお店はその都度、危機に直面します。
人との関りとデザインと
60年を迎えて、やはり私たちは、新しいことに向かっていこうと思います。
ジュエリーという、手間のかかる、気の長い商品は、今のスピードやコスパに時代にはそぐわない。
けれど、一方で、そういう仕事こそ、人がつくり、会話があり、人間の身体が受け入れられるスピードで物事が進んでいく貴重なモノでもあるかもしれません。
「MENTOSEN」を2021年に立ち上げた理由は、ものづくりのプロセスを変え、新しいものづくりをすることで、人々生き方が少しでも生きやすい方向に進むのではないかと考えたからです。
ファッションと同じで、ジュエリーにも、もっと今の時代に生きる人のためのものがあるべきだと思っています。
ダイヤやカラーストーンなどを中心にしたジュエリーは、確かに高価できれいかもしれない。
でも、今の私たちが送る日常生活とはかけ離れているように感じています。
また、そこには、職人がつくるジュエリーで、そこにデザインはないのです。
デザインとは、その形のことだけではなく、「今までにない新しい方法で、社会の問題を解決すること」だと、考えています。
だから、私たちが新作を出すとき、そこに何か今までにない新しいアイデアがあるか?
それを身に着ける人たちは、どんな服装で、どんな生活をして、そのジュエリー身に着けたら、どんな心もちになるのかを考えます。
人が着て、初めて生まれるカタチや、
一筆描きから出来上がるペンダント、
折り紙のかたちから着想を得たリングなど、
様々な面白い発表をしてきました。
これからも、人と人との関わりを大切にしながら、新しいものづくりをしていきます。
最後に、ものづくりをいつも支えてくれる、私たちチームの日本各地の職人たち、関係者たち、
そして何より、お客様に心から感謝いたします。
MENTOSEN by SHINKO STUDIO
代表 米井亜紀子