Terumi Miyamoto
エングレーバー&ストーンセッター
彫る - 宮本 輝美Terumi Miyamoto
和彫り彫金師(模様彫り・彫り留め・石留め)。 1987年神奈川生まれ、2009年東北芸術工科大学工芸コース卒。 オーダーメイドジュエリーの会社で和彫り・石留めの仕事に携わる。
2016年に独立。愛媛県に移住。都市の喧騒(けんそう)から離れて、日本のハイジュエリーブランドからの一品ものを中心に仕事をしています。
23歳の時に腸の難病(UC)を発症。
一方で、日本のハイジュエリーブランドの看板になるようなダイヤや色石の石留の仕事をしてきました。
常に、ハイクオリティな仕事に挑戦し、腕を磨いています。
MENTOSEN、SHINKO STUDIOでは、主に彫の仕事をしています。
彼女の鏨(たがね)で彫り上げる一線一線には、魂がこもっている。
彼女の彫の仕事の仕上がりを見て、いつも感じることです。
彼女の彫の技法は、機械彫りや、西洋の洋彫りとは違って、日本伝統の『和彫り』という技法です。
鏨(たがね)と小づちを使って彫をするため、繊細な彫、迫力のある彫、そのいずれもが、可能になります。
和彫りは、習得するまでにはかなりの修練が必要となり、若手でこの技法を習得している職人は数少なくなっています。
昔とは違い、国際的に通用する仕事はさらに精密さと緻密さを要求されるようになりました。
仕事は、顕微鏡を使い、一線一線彫っていきます。
肉眼では見えないほどの細かい彫を、美しく彫り上げていきます。
外から見ると、外科手術をしているようにも見えるかもしれません。
それほど緻密な仕事です。
「鏨(たがね)で彫る」という作業は、ジュエリーの最後の工程で、決して失敗が許されない、やり直しがきかない工程です。
だから潔く仕事に向き合う覚悟が必要となります。
普段の優しげな外観とは違って、仕事に向かう彼女のまなざしは厳しい。
海外のジュエリーと比べても決して引けを取らない彫職人。
これからの日本の「和彫り」や「石留」の新しい世界を切り開く一人となるでしょう。
『たがねが使えて、いい物を見分ける力があれば、ブレない仕事はどこでも出来る』
が彼女の信条。